手打ちうどん

 

手打ちうどんの作り方

美味しいうどんを作るためにはどうすればいいのでしょう。うどん作りの工程は、ある程度決まっています。水回し、足踏み、寝かし、のし、包丁切り、そして、うどんを茹でる。

工程は同じでも何が違うのでしょう。毎日作っていると、こうしたらいいのではとひらめきがあります。それが、いいのかどうかはわかりませんが試してみる価値があります。たとえば、水回しで塩水の入れ方や、塩分濃度の違いでどう変わるか。足踏みなら踵がいいのか、全体で踏むのか。何回踏めば美味しくなるだろうかと考え試すしかありません。

結局、参考になるものは限られています。自分自身で考えて試行錯誤をしながらつくるしかありません。これがうどん打ちの楽しみではないでしょうか。

 

どろだんご

うどん作りとどろだんご

保育園で保育士だったころ、子どもたちと一緒に作ったどろだんご。どろだんごの作り方は、うどん作りにヒントを与えてくれます。ほんまかいなと疑う方もおられるでしょうが・・・。

どろだんごはどろ土を乾燥させる。うどんは乾燥させないようにする。・・・といっても、稲庭うどんのような乾麺は別ですよ。乾燥というよりも、どろだんごは水分を抜いていくといったやり方です。

どろだんごと手打ちうどんの加水率

どろだんごの最初は、どろ土と砂と混ざったものを水でどろどろにします。めちゃ水を含ませていくのです。うどんも最初は塩水を必要な水の量の半分を投入します。ただ、どろだんごは手の圧で固めていきます。うどんは、逆にバラケさせてグルテンを作らせないようにして水を小麦粉に含ませていきます。どろだんごは水をイヤというほど含ませて不要な水は手の圧を加えて握りだします。うどんは容器の中で水を含ませ、握って水を出すとくっつきだします。ですから、加水率が大切とされます。

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1歳児なら小麦粉粘土のような固さから始めればいいと思います。子どもに小麦粉から見せてあげ水を自分たちで小麦粉へ投入して変わりようを見せて楽しませて経験させます。加水率は手打ちうどんを乳児から経験すれば、自然についてきます。

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どろだんごと手打ちうどんの水回し

うどんの花里は小麦粉を3種類ブレンドしています。もちろん1種類のほうがいいのですが、まだ1種類でいいと思う小麦粉にお目にかかっていません。3種類を混ぜるのですが、これも大変です。手打ちうどんの混ぜ方はどうしたらいいか考えなければなりません。白い小麦粉と全粒粉のような色つきの小麦粉を入れて混ぜると、案外混ざったかどうかわかります。ある時は右手と反対方向に小麦粉の入った容器を左手で回したり、空気を入れながら混ぜたりしています。どろだんごの場合は水をたっぷり入れて混ぜればいいのですから、どろだんごの水回しは楽だと思うでしょう。これが難しい。砂と土とを上手に混ぜないとかたまりはできません。砂が多いとバラケ、土が多いと変形するのでひび割れがいきます。最初、作った人はこの工程で悩む人がいます。人間は細かな土がいいと思ってしまうからだと感じます。

どろだんごの加水率は、足らないとかたまりができませんが、めちゃくちゃ多い水でいけます。加水率という言葉は不要なぐらいです。

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手打ちどんを作るのに塩水を入れるのですが、加水率こそ、手打ちうどん作りの良し悪しの分かれ目だと思っています。小麦粉や季節にもよりますが約小麦粉の50%と考えます。実際は、その前後ですから、入れる量は40%ぐらいまでは可だとして、まず半分入れて水のあるほうへ小麦粉をまぶしていき、手打ちの混ぜ方は力を入れず指を立てて混ぜます。とにかく手打ちは塩水を小麦粉すべてに行渡らせるのが大事です。40%ぐらい入れると、小麦粉の色と、小麦粉のかたまり具合をみます。小麦粉は水分を吸うと色が白色から、少し黄色味を帯びます。かたまりはパチンコ玉ぐらいのがちらほらとという感じ。そこから、白色がなくなるように、少しずつ水を入れては混ぜます。オカラ状といわれたり、耳たぶぐらいの柔らかさとかいわれたりします。粉っぽさがなくなるのと、手で下からすくって、抵抗を私は見ています。水回しは、どんなうどんを作りたいかでも変わります。だから、一人ひとり、同じ小麦粉を使ったとしても手打ちうどんの味が違うと考えています。

水分を逃がさない手打ちうどんづくり

その次の段階が、また違います。どろだんごは球体の表面に細かな土をまぶして水をとっていきます。手打ちうどんは、ここから、足で踏み固めます。水を含んだ小麦粉に足で踏み、圧をかけるのです。そして、乾燥させないように作業を早くすることと、なるべく空気に触れさせないことです。どろだんごも、うどんづくりも固めていき、どろだんごは水を外へ出させながら固めていきます。うどんは固めていくのですが乾燥させないようにするのです。

どろだんごもうどんも空気を嫌う

空気はどろだんごも、うどんも嫌います。ひび割れていくからです。空気を抜きながら、どろだんごは表面をつるつるにさせ、手打ちうどんは足で踏んで空気を抜いて層を作っていきます。この空気による影響はどろだんごは敏感です。うどんも、きっと敏感だと、どろだんごづくりをして思うのです。手打ちうどんのくくりなどを考えれば、そうだと思うのです。

どろだんごは1日でできません。中に水分があるのでどろだんごをテイッシュでくるみ、ビニール袋に入れて寝かせます。テイッシュは中から水分が出るので吸収させるためです。また、ビニール袋に入れるのは早く乾燥させないためです。そして、次の日にさら粉をかけて表面を固くして、最後にジャージでこすって光らせます。

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うどんの生地を寝かす時も私はテイッシュで包みませんがビニール袋に入れて寝かます。そうしないと乾燥してしまうからです。うどんも乾燥しすぎるとひび割れがいきます。また長時間空気に触れると発酵して、色が黄色になり、うどんがダラーンとなってしまいます。寝かす時間を考えるのが大事だと思います。

だんごの生地

喉ごしのいい、手打ちうどんづくり

どろだんごは表面に細かな土をまぶしながらこすり、つるつるにしていきます。どろだんごの断面をみれば中心部分は土と砂のごつごつ状、表面の数ミリが細かな粘土質なのです。このようにしてどろだんごが綺麗に光りだします。手打ちうどんは違います。水分を含んだオカラ状になったものに粉を振りかければ粉がプラスされるだけで光ることもできず、固いうどんになるだけです。どうしたら綺麗なうどんになるのか、それは足踏みで圧を加えていくからです。生地を何回も平らにしては折り曲げて、また踏むのです。そうすることによってぶつぶつさや、ごつごつさが消えていき表面が滑らかになります。どろだんごは中心と表面は違いますが、うどんの生地は折り曲げては延ばすので表面は中へ折り曲げられていき、中心も表面も同じようになります。ゆえに、綺麗な、なめらかな、喉越しのいい手打ちうどんというのは足で踏み生地の凹凸やムラがないものだと考えています。例えば、米で餅をつくとき、最初はぶつぶつ。だんだん、つくことでつるつるになるのと同じような感じだと思います。

どろだんごづくり

手打ちうどんの足踏みや包丁切りは体重移動

チンパンジーと違って、人間は500万年前ぐらいから地上を歩き出し、手が自由になり、道具を使うようになりました。歩くということうを考えるとつま先で蹴って、踵で着地し、足裏の外側をつきながらつま先でけるという「あおり動作」をしています。体でバランスをとり、体重を移動させています。これらを考えて生地の足踏みと、のし、包丁切りを述べてみたいと思います。

足踏み

人間は約500年前に樹上から地上へと降り、直立二足歩行を確立しました。歩き方は踵から着地してつま先でけり、進みます。あおり動作をするうちに土ふまずが出来てきました。うどんの生地を足で踏むということは、土踏まずを考えると足の内側は無理なのです。踵、足の外側、つま先を使うしかありません。特に足の皮がごついのは踵でしょう。ですから踵を使います。体重が後ろへかかるように手を体の後ろへ組むようにして踵で生地作りをします。また足の外側を使って空気を抜くようにして踏みます。水まわし後、ビニール袋に入れて踏みます。のばすとロール状に巻くか三つ折りにして踏むかです。何回か踏んでいくと、生地が滑らかになり、ムラガなくなります。最後は四角の形にして菊もみがやりやすいように私はしています。足踏みは踵で踏むということが大切だと思います。体重を左足、そして、右足と移動させて踏んでいきます。1歳半ぐらいの子になれば足踏みはできます。また、大人がしていると模倣をしたがります。教えなくても子どもから、興味を持って自らの持つ力で生地を踏みます。

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のし

生地を麺棒でのせるぐらいんも厚さになるまで足で踏み、のし台で生地をうどんの太さまでのしていきます。手打ちうどんは麺棒という道具を使うのですが、道具は1歳半ぐらいから興味を覚え、麺棒を持って、上手に体重をかけながらできるのは5歳ぐらいからだと思います。体重を前へかけながら麺棒で延ばすのですが、手だけでなく足も使っています。私は左足を後ろにしてつま先を立ててしています。人間はつま先で地面をけって歩いてきたのです。発達は上から下、中心から末端、また関節から発達します。関節を曲げ、クッションのようにさせながら、疲れないようにします。また麺棒は掌で転がすようにします。手指の関節を曲げて麺棒を誘導します。麺棒の使い方は手と足の協応動作が必要です。5歳以上になるとしなやかな体になり上手になります。

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手打ちうどんの角だしは丸い状態から四角にしていきます。最初に目で見当を付けます。下から麺棒で巻いて転がし 、次に180度まわして、また下から巻いて体重をかけていきます。これで上下が伸びます。次に90度回転させて左右をのばすと四角形になります。

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その後、本のしに入ります。一辺を生地の両端を持って麺棒で巻いて、順に四辺を うどんの厚さになるまで、のばしていきます。慣れてくるとリズミカルにできます。もちろん、打ち粉も使って台に生地がくっつかないようにします。コツは腕だけでなく、足も使ってすると楽です。腕だけで手打ちうどんを作ると手が疲れてきますし腱鞘炎になることもあるでしょう。ですから体全体で作り、力を逃がすことも頭に入れておきます。

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包丁切り手打ちうどん

包丁切りは難しい技です。のしの場合は目や足を使い、体全体で作りますが、それ以上に難しいです。包丁が危ないということではなく発達面で高度だと思います。

2歳ぐらいは小麦粉粘土のようにして、ヘビを作ったり、ペッタンコにしたりして作り、それを茹でてあげれば美味しい手打ちうどんです。ほうとう、耳うどんなど、日本でもいろんなうどんがあるのです。私たちはうどんというものをイメージでこういうものだと考えてしまうのです。手打ちうどんは大人しか作れないというのはおかしいと思っています。乳児や子どもたちも、素敵な味を持った手打ちうどんを作るのです。

3歳ぐらいになると、細いうどんを作ってみたい、同じような手打ちうどんを作りたいという気持ちが湧いてきます。このことが大切なのです。これが自らの発する力なのです(「子どもの持つ力」岡崎英治著・清風堂出版参照)。本物の包丁は持たせられないので危ないととめてしまいます。親が見ていれば本物でもいいかもわかりませんが体が備わっていません。でも、気持は先行して切りたいのです。そこで、おもちゃの包丁を使えば切れます。量的に多く切ることは難しいですが、少しぐらいなら、これで充分です。

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独楽回しを例にとって考えてみます。独楽回しは目で独楽を投げる見当をつけて、右手で投げて、独楽がひもから離れる寸前に手前に引きます。足は右足から左足へ体重移動させます。独楽は目、手、足を使い、手と足の左右が違う働きをしているのです。だから、難しいのです。同時に右手がパーで、左手をグーにして、次に、右手がグーで、左手をパーにして信号の点滅のように「カン、カン」と左右違う働きをしてみてください。これは4歳ぐらいから出来てきます。手打ちとはしなやかさを追求し、全面発達と導くのです。

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包丁切りは左手は添えて、右手に包丁を持ってうどんを切ります。左手は力を抜き、右手は脇をしめ、左右の手の働きが違います。足は、さほど使いませんが前後に体重移動させたり、切り具合によっては左へ移動していきます。

言葉でわかったとしても手打ちうどんは難しいものです。例えば、車の運転で細い道を走る時、車幅が気になり、ぶつからないかどうか不安になります。慣れてくれば車が自分の体の一部のような感じになります。道具を使いこなすというのは、こういうことだと思います。包丁でうどんを切るとき、目で見るということが大切で、そうすることで体が自然に切る態勢になります。しなやかな体は足の指先、手の指先まで表現できるということです。

包丁切りで左手に力が入るというのは緊張しているとか、小間板がゆがまないだろうかというようなことを思うからと体が育っていないからかもわかりません。右手がうまくできない場合は肩から肘を固定できているかどうかと包丁が傾いてしまったりするからだと思います。切ったうどんを見て自分の癖を知ることです。その癖を治すか、生かすかです。うどんの幅も切ってどうかを考えることです。私は、そこに答えはないと思います。人それぞれ味覚が違います。太い麺が旨い、細いのが旨いなど、いろいろです。でも、そういいながら、私は今も、お客さんから言われると考える自分があります。手打ちの答えはなくとも考えることだと思います。

私はうどん屋としてはかけだしです。しかし、保育は25年間やってきました。この保育の技を手打ちうどん作りに生かしています。よろしければうどんの花里へ食べに来てください。お待ちしております。

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